前回の記事で、200万円を車の購入資金に充てるより、住宅ローンに充てたほうが利息が安くなったことを紹介しました。
でも、どうして金利の高いマイカーローン(5年)より、金利の安い住宅ローン(35年)に200万円充てたほうが利息が安くなったのでしょうか?
答えは単純です。
住宅ローンの方が借入額が多く、返済期間も長いためです。
一般的な住宅ローンの組み方
住宅ローンを組む時、大半の方は計画の立てやすい元利均等型(毎月の返済額が一定)を選択されると思います。
この毎月の返済額が一定のやり方でローンを返済する際、月々いくら元金を返済出来ているかご存知でしょうか?
例えば以下の条件で元金の返済額を計算してみます。
- 借入額:3000万円
- 利子:1.1%
- 返済期間:35年
- ボーナス返済:なし
この場合、月々の返済額、返済1回目の利息と元金は以下になります。
月々の返済額:86,091円
1回目の利息:27,123円
1回目の元金:58,968円
こうやってみると1回目の返済額の1/3は利息ということになります。
利子が1.1%なのにどういうこと?、と思いませんか?
住宅ローンの利息の計算方法を単純に説明すると、以下の計算式で求められます。
「利息」=「残りの借入額」×「利息」×「その月の日数」
1回目の返済時に元金として「58,968円」返しているので、残りの借入額は3000万円から「58,968円」引いた「29,9441,032円」になります。
残りの借入額が少しだけ減ったので、2回目の利息は1回目の利息より安くなります。
そして繰り上げ返済せずにローンを返しきった場合、利息は合計で「6,157,985円」になります。
つまり、3000万円に対し20%(600万)の利子を支払ったことになります。
ここで大事なことは「利息がどれだけ低くても、借入額が多いと利息は高くなってしまう」ということです。
条件を少し変えてみましょう。
返済期間を35年から30年に減らしてみました。
- 借入額:3000万円
- 利子:1.1%
- 返済期間:30年
- ボーナス返済:なし
この場合の月々の返済額、返済1回目の利息と元金は以下になります。
月々の返済額:97,876円
1回目の利息:27,123円
1回目の元金:70,753円
そして繰り上げ返済せずにローンを返しきった場合、利息は合計で「5,235,171円」になります。
35年の時より利息が100万円近く下がりました。
理由は単純で、1回の返済に対する元金が多く、残りの借入額が減るペースが速いため、以下の計算で利息を計算した時に利息が35年の時より安くなります。
「利息」=「残りの借入額」×「利息」×「その月の日数」
大事なポイント
住宅ローンを組む上で大事なことは以下になります。
- 利息がどれだけ低くても、借入額が多いと利息は高くなる
- 返済期間が長いと利息は高くなる
つまりマイカーローンと比較したとき、住宅ローンは借入額が多く返済期間も長いため、同じ200万円でも住宅ローンに充てて借入額を減らした方が、利息が安くなるということになります。
繰り上げ返済のポイント
住宅ローンの利息対策でよく取り上げられるのが「繰り上げ返済」になります。
繰り上げ返済を使えば、借入額を減らし、返済期間も短くできます。
ここで気をつけておきたいポイントがあります。
繰り上げ返済は魔法でも何でもなく、あくまでも手持ちの現金を使って返済額を減らすやり方です。
せっかく借入額を減らし返済期間を短くしても、貯金を削る分生活が苦しくなったり、もしもの時に対応できなくなってしまう可能性があります。
繰り上げ返済を行う際、以下の2つを選択できます。
- 月々の返済額を減らす(返済期間は変わらない)
- 返済期間を減らす(月々の返済額は変わらない)
利息を減らせるのは②の方ですが、①でも十分に利息を減らすことが出来ます。
また、月々の返済額が減るとその分だけ余裕が生まれます(繰り上げ返済の貯蓄に回すことも可能です)。
私たちの場合は借入額の一部をボーナス返済としており、そのボーナス返済分を5年で返す目標を立てています。
住宅ローン自体は大きな付加になりますが、繰り上げ返済で余裕を作ってハワイ旅行でも行こうかなと想像すると楽しくなってきます。笑
最後に
以下の本をブックオフで買って住宅ローンの勉強をしました。
住宅ローン以外でも私が疑問に思っていたこと(賃貸vs一戸建てなど)がいくつか紹介されていておもしろかったです。
住宅ローンの計算には以下のアプリを使いました。
使い方はとても簡単でローン同士の比較も出来るので便利です。
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